最近、うつ病等の精神疾病による休職の発生ケースが増えています。
先日、こんな相談がありました。
休職からの復帰には就業規則にて、会社指定の医師の診断を命ずることがある、としていますが、休職開始の判断としての規定には会社指定の医師・・・の記載が抜けていました。
この場合、会社指定の医師の診断を命ずることが出来るのでしょうか?
精神疾患における就業の可否の判断は、外観上、第3者が明確に判断することは困難であり、会社としても医師の意見書をそのまま信じてよいのか、迷うケースも多いようです。
ゆえに、会社としては信頼の置ける医師を選定し、そこでの診断を求めたいとの思いが強いものと思われます。
しかし、労働者側からすれば逆に、会社指定の医師の診断は会社の都合に合わせた結果とならないかとの不安を持つこともあるでしょう。
個人的な情報を掛かり付け医師以外に知られることに抵抗を持つこともありえます。
では、法的にはどちらの主張が優先されるのでしょうか?
安衛法には以下の規定が存在します。
第六十六条 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない。
5 労働者は、前各項の規定により事業者が行なう健康診断を受けなければならない。ただし、事業者の指定した医師又は歯科医師が行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師又は歯科医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健康診断を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。
よって、就業規則等に規定されていない(包括的同意が無い)場合には、原則、労働者の意思が尊重されると考えられます。
しかし、合理的な理由が明確に認められる場合には、たとえ規定が無かったとしても、会社の指示が優先されたケースもあります。
東京高判昭和61.11.13 京セラ事件
企業としては従業員の疾病が業務に起因するものであるか否かは同人の以後の処遇に影響するなど極めて重要な関心事であり、しかも従業員が当初提出した診断書を作成した医師から従業員の疾病は業務に起因するものではないと説明があったなどの事情がある場合には、企業が従業員に対し「改めて専門医の診断を受けるよう求めることは、労使間における信義則ないし公平の観念に照らし合理的かつ相当な理由のある措置であるから、就業規則等にその定めがないとしても指定医の受診を指示することができ、従業員はこれに心ずる義務がある
なかなか判断が難しいですね。
しかし現状、会社指定と規程すること自体への抵抗は一般的には少ないものと思われます。
結局、トラブルを防止すると言う面からは、予め就業規則を明確に定めておくことが重要と言うことです。
世間の事件に目を光らせ、先へ先へと制度の改正を進めていかなければならない。
そんな時代なんですね。
2006年02月03日
2005年12月14日
就業規則変更後の業務命令の有効性
労働法令に関する法改正は毎年のように頻繁に行われています。
ここ1年では解雇規定、厚生年金、育児介護法など。
来年には65才定年延長などが実施されてきます。
勿論、法改正ですから、それに合わせて就業規則等も変更し、雇用管理もそれに従って行う必要があることは言うまでもありません。
では、法改正以前に雇用された社員達は法改正に伴う新たな就業規則による業務命令を受ける義務があるのでしょうか?
一般に労働法の改正は労働者側により有利となるように改正されるのが普通ですが、全てがそうだとは限りません。
マンナ運輸事件・神戸地裁判決(平成16年2月27日)
というものがあります。
女性保護の一環であった女性深夜労働の制限は、男女差別をなくし、女性採用の窓口を増やす目的として、平成11年に法改正にて削除されました。
これを基に会社は、ある女性社員対し深夜業務への配置転換を命令。
これを拒否した彼女を、業務命令違反で解雇した事件です。
当件は実際には、別事件の公的機関への訴えに対する報復人事ではないかとの側面もあり、若干複雑ではありましたが、以前の雇用契約(旧就業規則)が優先され、解雇無効との裁決となってます。
女性の深夜業は、昼勤契約にて従前から働いていた者にとっては、不利益変更と判断される場合もあり、その場合、本人の同意が必要と言うことです。
一概に法改正に合わせて作成した就業規則の改定が全てに有効とは言えないのですね。
では、どうしましょうか?
例えば、就業規則改定時には社員に確認書をまわして見てはどうでしょうか?
変更内容の回覧通知にて、確認の署名を社員に求めるわけです。
勿論、法的に同意と同じだとは言いませんが、有効性はUPします。
社内の法律は出来るだけ最新の規定に統一して管理しないと、余計な混乱を招く恐れもあり、これを防止するためには、こう言った対応も必要だと考えます。
新田労規事務所 就業規則その他規定の作成、労働法関連の相談コンサル、その他
石川県の士業ネット 石川県の士業など各種専門家を相談内容別にまとめています。
ここ1年では解雇規定、厚生年金、育児介護法など。
来年には65才定年延長などが実施されてきます。
勿論、法改正ですから、それに合わせて就業規則等も変更し、雇用管理もそれに従って行う必要があることは言うまでもありません。
では、法改正以前に雇用された社員達は法改正に伴う新たな就業規則による業務命令を受ける義務があるのでしょうか?
一般に労働法の改正は労働者側により有利となるように改正されるのが普通ですが、全てがそうだとは限りません。
マンナ運輸事件・神戸地裁判決(平成16年2月27日)
というものがあります。
女性保護の一環であった女性深夜労働の制限は、男女差別をなくし、女性採用の窓口を増やす目的として、平成11年に法改正にて削除されました。
これを基に会社は、ある女性社員対し深夜業務への配置転換を命令。
これを拒否した彼女を、業務命令違反で解雇した事件です。
当件は実際には、別事件の公的機関への訴えに対する報復人事ではないかとの側面もあり、若干複雑ではありましたが、以前の雇用契約(旧就業規則)が優先され、解雇無効との裁決となってます。
女性の深夜業は、昼勤契約にて従前から働いていた者にとっては、不利益変更と判断される場合もあり、その場合、本人の同意が必要と言うことです。
一概に法改正に合わせて作成した就業規則の改定が全てに有効とは言えないのですね。
では、どうしましょうか?
例えば、就業規則改定時には社員に確認書をまわして見てはどうでしょうか?
変更内容の回覧通知にて、確認の署名を社員に求めるわけです。
勿論、法的に同意と同じだとは言いませんが、有効性はUPします。
社内の法律は出来るだけ最新の規定に統一して管理しないと、余計な混乱を招く恐れもあり、これを防止するためには、こう言った対応も必要だと考えます。
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